歯科用語
インプラントの専門用語について
インプラントの専門用語についてご紹介させていただきます。
- アバットメント (Abutment)
インプラント本体と上部構造(人工の歯)を繋ぐ連結部分のことです。
- アバットメントコネクション (Abutment connection)
インプラント骨内部分(フィクスチャー)にアバットを装着することです。アバットメントを骨内インプラントに連結することをいいます。
- アバットメントインプラントインターフェイス (Abutment-implant interface)
インプラント骨内部分(フィクスチャー)とアバットメントが接する面のことです。形状が複数あり、インプラントの種類により様々な形態があります。
- アバットメントスクリュー(Abutment screw)
インプラントの骨内部分(フィクスチャー)とアバットメントを結合するためのネジのことです。噛む事により緩みを生じないよう、各メーカーで形状を工夫しています。
- アクセスホール (Access hole)
インプラントの手術時に行なう、人工歯冠を埋入する穴のことです。
術前にインプラントの長径・幅径の選択や埋入位置・角度・本数などをシミュレーションして、あらかじめ埋入角度を計測・付与したサージカルステント(方向指示器)を用います。
- アタッチメント(Attachment)
インプラントと義歯を固定するための道具です。磁石、バー、ゴムリング等を用います。とても動きにくく、安定性のある義歯にすることができます。
- アタッチメントレベル(Attachment level)
セメント-エナメル境(歯の頭と根の境目の部分)からポケット底までの距離をいいます。
- アーチワイヤー(Archwaire)
2本以上の天然歯またはインプラントに装着するワイヤーで、一般には矯正治療中に天然歯の誘導または保定に使用します。
- アンテロポステリアスプレッド/APスプレッド(Anteroposterior spread)
最も近心に埋入されたインプラントの中心から、最も遠心に埋入されたインプラントの遠心面を結ぶラインまでの距離のことです。この距離はインプラント支持補綴の上部構造に与えるカンチレバーの量を決定するガイドラインとなります。
- 委縮性歯槽骨(Atrophic alveolar bone)
骨の量や実質の減少している状態です。骨量の喪失は幅と高径の両方が減少で、骨の実質の喪失は皮質骨の厚みの減少や骨梁の幅や数の減少が考えられます。
- インプラント(implant)
人工歯根のことです。人工歯根を顎骨に埋入して上部構造(人口の歯)をかぶせて噛む機能や審美性を回復させる治療方法です。
- 移植骨【いしょくこつ】
インプラントを植える場所に骨が足りないときに、患者さん自身の体から骨を取って足すためのものです。
- 移植材【いしょくざい】
移植骨と同じく、インプラントを植える場所に骨が足りないときに足す材料のことです。高温処理した牛の骨由来の人口骨が使われます。
- 一次手術【いちじしゅじゅつ】
2回法でインプラントの手術を行う場合、インプラントのフィクスチャー(骨の中に埋まる部分)を埋め込む手術のことです。歯肉を切り開き、骨を露出させた状態で行うことが殆どです。
- 一回法インプラント埋入【いっかいほう-いんぷらんと-まいにゅう】
インプラントを埋め込んだ後、ヒーリングアバットメントと呼ばれるキャップを歯肉を貫通した状態で設置しておき、インプラントが骨と結合したらキャップを外してアバットメントと歯をかぶせる方法です。
手術が一回で済み、患者さんの負担が少ないことが利点です。
- オッセオインテグレーション
インプラントで使用されているチタンが顎の骨と結合することを言います。現在のインプラントはこの骨結合型インプラント(オッセオインテグレーション・インプラント)が使用されています。埋入した人工歯根が骨と結合するため、安定性が非常に高く硬いものを噛んでもぐらついたりせず、天然の歯と変わらない噛み心地を得ることができます。
- 傾斜埋入インプラント(Angulated implant)
歯槽骨が薄かったり小さい場合、歯槽骨が十分にある方向に斜めに埋め込むインプラント手術法のことです。
- 回転防止(Antirotation)
回転に対する抵抗やインプラント補綴のコンポーネントの緩みに抵抗する機能が施されているということです。
- 開咬(open bite)
上下の歯をかみ合わせても前歯部が空いて咬み合わない状態のことをいいます。
- カバースクリュー
インプラント頭部の保護するフタのことを指します。
- クリアランス
人工歯を入れる際の上下の隙間のことです。
- 口腔内カメラ
口腔内を撮影する小型CCDカメラのことです。患部の見えない部分の説明や治療の記録として利用されます。
- 酸化処理インプラント(Acid-etched implant)
インプラントの表面形状の一つです。表面を粗くし、骨結合を良好にすることが出来ます。
- 自家骨移植材料(Autogenous bone graft)
口腔内または口腔外から自分の骨を採取し移植(同一個体内で)することです。
- サイナスリフト
別名:上顎洞底挙上術と呼ばれる術法です。
上顎の骨がインプラントを埋入するのに薄い場合、上顎洞(上顎の骨の中にある空洞)の骨を持ち上げ、骨を足す事でインプラントを埋入するための骨の厚みを得る治療法です。
- シュナイダー膜
上顎洞と歯槽骨(上顎)の間にある粘膜のことです。
- 歯根
歯の根の部分、歯肉(歯ぐき)の中で骨の中に埋まっている部分をさします。
- 人工歯根
歯の根元に埋め込むために、セラミックスや金属などで作られた歯根のことです。
- ソケットリフト
上顎での造骨法の1つで、特殊な器具を用いて、上顎洞の底部を押し上げインプラントを埋入するスペースを確保するために行われる術法です。手術の負担が非常に少なく、また非常に有効なため、現在では主流になっています。
- チタン(Titanium)
チタンは耐蝕性、生体親和性に優れた金属としてインプラントや義歯に使用されています。鉄よりも軽く、丈夫でさびにくいのが特徴です。
生体親和性が高く、金属アレルギーを起こしません。
- 鎮痛薬【ちんつうやく】
痛みを和らげたり取り除いたりする薬品。中枢神経系に作用し、筋肉などの痛みと緊張を弱める薬品です。
- ドライソケット
抜歯時に出血が極端に少なく、血餅(けっぺい)ができずに骨面が露出したままになって炎症を起こした状態のことをいいます。抜歯後2~3日後に症状が現れ、激しい痛みを伴うことが多いでしょう。
- 二回法インプラント埋入【にかいほういんぷらんとまいにゅう】
歯肉を切り開いてインプラントを骨に埋め込んだ後、歯肉をインプラントごと閉じてしまい、3~6ヶ月程経過し骨とインプラントがくっついてから再度歯肉を切り開き、ヒーリングキャップ(歯肉の治りを待つ間にインプラントにつけておくフタ)を取り付けます。しばらくしてからかぶせ物の芯(アバットメント)と交換し、かぶせ物をする方法です。手間はかかりますが、インプラントが骨と確実にくっついてくれるという利点があります。
- 二次手術【にじしゅじゅつ】
上記の「二回法インプラント埋入」において、骨とインプラントがくっついた後に歯肉を切り開き、ヒーリングキャップを取り付けるための手術です。
- 捻転歯【ねんてんし】
ねじれて生えている歯のことです。
- 膿瘍【のうよう】
歯科病名の1つで、虫歯が進行して虫歯菌が歯髄まで達し、その虫歯菌が原因で歯髄が死んでしまうと、その後にそこに膿が溜まり、歯に空洞ができます。これが膿瘍とよばれるものです。歯根の先にできる病気で根尖切除術などによって治療できます。
- ハイドロキシアパタイト
リン酸カルシウムでできた歯や骨を構成する成分のことです。エナメル質は97%、象牙質の70%がハイドロキシアパタイトで構成されています。
- PRP
Platelet Rich Plasma(多血小板血漿)の略語で採取した血液の中から濃縮した血小板を取り出した血漿のことです。
血小板はそもそも体の細胞の増殖を促進する成長因子があることが発見されていて止血作用とともに血管や組織の修復機転に関与することが解明されています。
- 非接触治療【ひせっしょくちりょう】
高周波治療器でチップを患部に接触させないで治療効果を得る療法のことです。非接触で患部の温度を上昇させることで患部の免疫力を高め自然治癒を促す効果があります。正式にはRF治療と呼ばれるものです。
- 表面麻酔【ひょうめんますい】
局所麻酔の1つで、注射その他の痛みを伴う処置をする前に、スプレー状のものを歯肉の表面につけて歯肉を麻痺させる麻酔法です。
- ヒーリングアバットメント
二回法において、インプラントと骨がくっついた後歯肉を切り開き、インプラントとネジ止めし、歯肉を貫通させておきます。ヒーリングアバットメントを取り付けて歯肉の治りを待つ事で、かぶせ物と歯肉が調和した美しい形を作る事ができます。
- フィクスチャ-
インプラント本体のことです。骨の中に埋める部分でこの上に、差し歯のように歯を固定したりします。 世界中では60種類くらいあり、日本で許可されているものだけでも20種類くらいが販売されています。
フィクスチャーの上に連結する土台のことを、アバットメントと言います。
- ボーングラフト
骨移植の方法の一つです。歯が抜けて時間が経過すると、顎の骨がやせてしまいインプラントを入れるスペースが不足することがあり、以前は骨がやせているとインプラントができないケースがありましたが、ボーングラフト(骨移植)をすることでインプラントが可能になりました。 移植する骨は、自家骨や骨補填材が使われます。
- 埋入【まいにゅう】
インプラントにおいて、歯槽骨にインプラント体を埋め込むことです。
- 麻酔【ますい】
一時的に神経機能を低下させて、痛みの感覚を知覚や意識を失わせるものです。
- マイクロムーブメント
インプラントにおいてフィクスチャー(骨に埋め込まれた部分)と、アバットメント(かぶせ物の芯となる部分)のつなぎ目に出来る隙間がかみ合わせによって開いたり閉じたりする遊びの事を指します。これによりつなぎ目の部分の骨が溶けてくる事があります。
- 無歯顎【むしがく】
歯がまったく無くなった状態の顎のことを言います。
- メンブレン
歯槽骨造成に使用する膜のことを指します。
- 癒合歯【ゆごうし】
2本以上の歯が象牙質とエナメル質で結合している歯のことです。
- 癒着歯【ゆちゃくし】
2本以上の歯がセメント質で結合している歯のことです。
- ラテラルウィンドウ法
インプラントを上顎に埋め込むとき、上顎の骨の中にある上顎洞に突き抜けてしまう程骨が薄い場合があります。そのような場合には、上顎洞にほっぺた側から穴を開けて上顎洞の中に骨を足して、骨がしっかりとくっついてからインプラントを埋め込みます。この手術法をラテラルウィンドウ法といいます。
- ラバーダム
治療する患部の歯以外を弾力性のあるゴムの膜で覆う治療方法のことです。またゴムの膜自体を指します。だ液からの菌感染を防いだり、だ液の水分によって接着しづらくなることを防いだり、異物が口中に落ちたりしないようにする効果があります。
- 乱杭歯【らんぐいば・らんぐいし】
歯がでこぼこに生えた状態のことです。歯の大きさに対して、顎が小さいため歯が生えてくるための十分なスペースが不足しているため起こります。
- リッジ・イクスパンション
歯槽骨の幅が十分でない場合、幅を広げてインプラントを埋入させる治療法のことです。